2015年9月10日木曜日

グレコさんのWS

すさまじい悪天候でしたね。。サークルは茨城に近い千葉県なので皆様大丈夫か心配しております。明日以降もご無理なく、レッスンにいらっしゃる方どうかお気をつけて…


大変遅くなりましたが今日は前回お話ししました作曲家でもありレッスンピアニストとしても大活躍のマッシミリアーノ・グレコさんのWSのレポートです。(かなり長文です、興味のない方スルーして下さい…)

私、彼のCDが大好きで、去年も「レッスンピアニスト向け」の講座に場違いながら参加させてもらったのですが、今年は「バレエ教師向け」という事で
レッスンやリハーサルの時に生徒やピアニストに音楽についてどう指導、指示するのがいいか?といったような内容でした。

私はピアニスト付きのクラスを担当した事はなく、今後もそのような予定はありませんが、

生徒への指導を始め、音楽の基本、種類、拍子、CD選びのヒントから使う際の注意、時には教師のようにバレエテクニックについて、又クラスを受ける時のアドヴァイスもお話ししてくださり、ダンサーとしても為になる内容が沢山ありました。

基本的には座学ですが、
実際にグレコさんにアンシェヌマンを出してみよう!というなんとも贅沢な企画があり、

初日は
①スタッカート(フラッペやアレグロなどに使う早い音楽)

②レガート(アダージオやプリエなどに使うゆっくりな音楽)
一曲ずつが課題となりました。

受講者の中からそれぞれ教師役を募り、生徒役も受講生の中から希望制で複数人、そしてピアノニストは勿論グレコさんが担当。

生徒役に立候補してもいいかなーなんて呑気に思っていたのですが、

なんと①の教師役を私がやる事になり…

突然の指名(?)に加えトップバッターだったので一瞬パニックに陥りましたが
「もうこうなったら普段の私でやるしかない!」と覚悟を決め
日頃皆さんとクラス内でやっているようなバーのジュッテの振りをいつもの感じで出しました。

振り出しが終わりグレコさんをチラリとみると
「…うん。よし、やってみよう」

私も踊りたかったので他の生徒役の方と共にバーにつき、グレコさんに音を出すよう指示(←実はこれが精神的に一番きつかった…)、
緊張の瞬間、、プレパレーション、、

凄い!めちゃくちゃカッコいい音楽が流れてる!!!テンションも身体もびっくりするくらい上がる上がる!
無我夢中で躍り切り最後アンバーで音楽と共に終わった瞬間は軽く放心状態でした。

グレコさんからは、君の振りの出し方を見た結果、こんな音楽になったよと言っていただき、
「終わり方について話してなかったね」と別の話しも引き出す事が出来たので、人生初体験にしては合格点だったかなと思います。
(ちなみに勿論日本語でやったのですがちゃんと伝わるんですね。ダンス&音楽って素晴らしい…!)

②は別の方がセンターのロンデジャンプをやられて私は生徒役に徹底しこちらも貴重な経験でした。

その後ピルエットの講義などもありましが、最後に
「明日は

③サラバンド(グレコさん曰くアダージオの中で最も遅い6カウントで数える音楽)

をやるから皆アンシェヌマンを考えてきてね」
と宿題(?)が出されました。

帰りの電車で早速宿題にとりかかったのですが
これが難しかったんです。

今までの教師人生で、サラバンドと認識した上でアダージオを作った記憶がなかったので、
先ずYouTubeで「サラバンド」を検索する所から始まり、あとはひたすら聴いて考えて…。
自分自身が納得いくアンシェヌマンになるまで、
そして講義内容に沿って
生徒とピアニストにどんな風にこの振りを伝えるべきかを考えていたら夜中でした。

2日目、結局サラバンドの実践も立候補する人が誰も出ず、
なんと私がまた教師役をやらせていただく事になったのですが、

これがまぁ、見事に撃沈しまして、、、

先ずは前奏のスピード(前日の講義内容)

次にカウントの取り方(これも前日の講義内容だったのに)
やってもやってもうまくいかない。

グレコさんに「今の君の振り出しだとこんな音楽になっちゃうよ」→(私の指示通りピアノを引いてくれる)→「これでいい?」
私「それはマズイです…もう一度チャンスを下さい(涙)」

何度もグレコさんの指導→やり直し→時には私から「なぜこれではいけないの?」と質問したり、「サラバンドはとても難しいんだ!わかるよ、でも頑張れ」と励ましをいただいたりしなから、何とか出来上がり。
 さぁやってみよう!と、生徒役の皆と共に位置についたのですが今度は音が鳴らない。(グレコさんが弾いてくれない)

うつ向いてポーズをしてる私に「音出していい?」と一言。
なぜそんな事を聞いたのか一瞬わからなかったのですが、すぐに思い返しハッとしました。

プレパレーションがいかに大事か、これも前日の②の時に教えて下さった事だったのに、自分のアンシェヌマンの出し方の何がダメだったのかに気を取られていたらすっかり背中も顔も気持ちも落ちていて。。
私がそれを思い出してきちんとポーズするまでグレコさん待っていてくれたんです(涙)

最終的にはとても優しい笑顔で綺麗な音楽を弾いてくださいましたが
生徒役を引き受けて下さった方はかなりやりづらかった事でしょう。(温かい拍手を下さった受講生の皆様も生徒役の方も本当にありがとうございました。)

こういう緊張とプレッシャーの状況ではいつもの癖が出てしまうものですね。。。

私基本的にカウント(数字)で振り出しをしないのと前奏もほとんど言わないんです。

初日のジュッテはそれが功を奏した。

2日目は「前奏」と「カウント」にすっかりやられました。
こんなになるならいつも通り(初日のように)歌って振りだしすればよかったー(涙)
なぁんて一瞬落ち込んだのですが、
初日の優等生なジュッテよりサラバンドの方がグレコさんに直接指導していただいたり、たくさん会話も出来てずっとずっと勉強になったと気付きました。

講習会最後の質疑応答では
私のミーハーな質問から「メロディ(右手)の大切さ」に話しを広げて下さったり

その後数日間で私が受けているレッスンをグレコさんが見学していたり、グレコさんが伴奏してくださるクラスを受けたり、それぞれに私にとってはドラマ(?!)がありましたが
永遠に終わらなくなるので今回はこの辺りで終了しようと思います。

この前の火曜日にグレコメソッド(?!)と銘打ってサークルでクラスをやりました。
優等生ジュッテを始め、ピケやピルエット…グレコさんに習ったことを皆さんに伝えられるようなアンシェヌマンを私も考え、

センターのアダージオは反省を踏まえ、何度もシュミレーションをし直し、消化したうえで皆様にサラバンドをやっていただきました!
サークルメンバーはとても綺麗に踊ってくれ感動しました。クラスに来てくれた生徒の皆様、どうもありがとうございました!

これからも音楽に誠実であり敬意を払った上で躍りを楽しめるダンサーでありたいと思うと共に皆様にもそうやってバレエを楽しんでいただけるよう教師としてもこの経験を活かして頑張ります。 

最後に内輪のblogではありますが、私の拙い日本語、英語、想いをグレコさんに伝えて下さった通訳兼ピアニストの蛭崎さん、そしてとても優しく温かくたくさんの事を伝えて下さったグレコさんに御礼申し上げます。

長文にお付き合いいただき、また代講にご理解いただいた皆様にも感謝致します。ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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