2017年3月7日火曜日

観劇日記と舞台のお知らせ

3月も半ばになりました。
20日は代講講師によるクラス開講になり、時間とクラスの変更がありますのでレッスンにいらっしゃる方はご確認の上お越しください。

今スタジオに舞台のチラシを2点置いています。

1つはタップダンスの舞台
『NATIONAL TAP DAY』
(4月22.23日、浜松町)

もう1つは

ピアノ、チェロ、バレエで構成される
『わかると楽しいクラシック』
(3月25日、柏)

です。
観劇すると心が豊かになります。バレエを踊る上でも豊かな感性は必須だと思います。日々の生活に素敵なエッセンスをいれてみてはいかがでしょうか?チケットご希望の方は多伽羅までお声がけ下さい。

ということで、今回は久々に観劇(感激)日記をUPしたいと思います。
ちょこちょこと観劇に行っている中で、コンテとクラシックから一つずつ…(相変わらず長文なので興味にない方スルーして下さい。)

※一つ前の投稿に4月のスケジュールをアップしています!ご確認下さい!!!

先ずはコンテから。年明け1月、ずっと昔の観劇日記に載せた『GABBY ギャビー』で心奪われた辻本知彦さんが出演されるとの事で吉祥寺シアターまで行ってきました。

デュオ3組と女性トリオ1組のコンテ4作品計9名での上演でしたが、どのチームも30分~40分くらいの長い作品でボリュームとしては満足感のある舞台でした。その中でもアレッシオ・シルベストリンさんと島地保武さんチームの作品に強烈な刺激を受けたので特筆したいと思います。
 先ず、あの長さを二人で躍り続けたことに感服。
2人で踊っているわけですから1人が休んでいる間に1人が踊れば休憩時間をそれぞれ設けられる訳ですが、私が見た所休憩になるほど動きを止めた時間はお二人ともなかったのではないでしょうか…。いやいや、あれだけの動きを踊り続けるなんて不可能…。休んでるようにみせない振り付けの素晴らしさなのか、ダンサーとしてのレベルの高さなのか…?もしくは限界を決めずに本当に最初から最後まで踊りきったのかもしれません…。
どれにしても凄い事であります。
(ちなみに他チームは程度の違いこそあれセリフが必ずあり、椅子に座るチームもありました。勿論、声を出す事も疲れますし、舞台に立ってる以上、座っていても神経を使いますけどね!)

それからアレッシオさんの集中力?には多少の狂気(とてもいい意味です!!!)すら感じ、
どんどん引き込まれ、気付けばまばたきや呼吸を忘れ、前かがみになって魅入ってました。一緒に踊る島地さんは素敵なダンサーでしたがアレッシオさんはダンサーの域を越えてアーティスト(芸術家)という感じで二人の気質が全く違うモノなのがとても面白かったです。
(目的だった)辻本さんは相変わらずズバ抜けた身体能力で面白い動きは見せてくれましたが「ダンス」というよりは「パフォーマンス」感が強かったように思います。
 私はギャビーのような「エンターテイメント」も大道芸のような「パフォーマンス」も大好きですが今回は「ダンス」を期待して行ってしまったのでそういう意味ではちょっぴり残念でした。でもギャビーで魅せてくれた肉体表現は一生忘れませんので彼の「ダンス」を期待し続けてまた観にいきたいと思います。

 ということで受け止める側(観客)の好みや感性、望んでるもの、もしかしたらその日の体調や精神状態などによっても感じ方が変わってくるのも観劇の面白い所だったと再認識した夜になりました。

 さて、そんな意味でも最近、古典(グランド)バレエを観に行かなくなっていました。

小さい頃から触れてきた古典バレエは私にとって今や「不変的に好きなもの」で観劇してもそれ以上でもそれ以下でもなく大きく心揺さぶられる事が減ってきたからです。
 その中で私が今でも新鮮な気持ちで見れる大好きなバレエが「ロミオとジュリエット」と「ジセル」です。
 
 2月下旬、NBAバレエがロミオとジュリエットをオケ付きで上演するとの事で久々の生オケに惹かれ、ウラジーミル・シクリャローフさんという方がゲストでロミオを演じる日に上野にいってきました。

 私がロミジュリを観るときに重要視しているのが「若さのパワー」と「スムーズに進む(違和感のない)物語の進行」です。
ロミオは街の中にいる一青年であり、お客様でも王子でもないので本当はゲストダンサーでない日に見に行きたかったのですが、主役を踊るという意味ではウラジミールさんは別格で素晴らしかったです。
 彼はマリンスキーのプリンシパルだそうで、とても高く翔びますし、美しく何回も回転するのですが、それが全てテクニックに見えない。ロミオの喜び、悲しみ、怒り、溢れる愛に見えるんです。希に弾けすぎて軸がぶれたりもするんですがそれすら舞い上がってるロミオの表現になっていて見ていて気持ちがいい。何より本人がそんなことを気にしていない(笑)

 素晴らしいダンサーはやはりそこが違うような気がします。
 多くのダンサーは振りにピルエットがあると、急に回転の成功の事しか考えなくなるので、ピルエット(テクニック)を見せられてる気がしてしまうんです。
勿論、コンクールやガラなんかではそれを期待したりもしますが、ロミジュリは物語バレエなので他にもっと大切な事があると思うんです。
 少し辛口になりますがジュリエットの登場の場面、彼女の踊りはバレエのテクニックをこなしているだけにしかみえず…
 あとで開かれる(仮面)舞踏会で下手な踊りをしたらキャピレット家から永久追放でもされてしまうのか、はたまた演出家が鬼のように恐いのか?!自分の部屋で乳母すら目に入らず、痛々しいくらいの真剣さでテクニックの練習?披露?に励んでました。。。

私としては「まだ恋を知らない無邪気な子供です!」とだけ伝わればよかった場面なんですけど、
神経質で完璧主義、1つの事(テクニック)以外目に入ってなくて可哀想になるくらいでした。
まぁそういうまっしぐらな性格のジュリエットだからこそああいう人生になってしまったとも考えられるかもしれませんが…

 そんな彼女(ジュリエット)でしたが、緊張が解けたのか?悲劇の表現が得意なのか?3幕は本当に本当にとても素晴らしかったです。
テクニックと役が分離してなくて、大人と子供の狭間の難しい年頃を見事に演じ、とめどなく溢れてくる怒り、悲しみ、憤り…たくさんの感情に最後は心も体も崩壊してしまう姿に涙ぐんでしまいました。

3幕は演出もとてもよくて、特に最後の墓場はおどろおどろしい雰囲気だけでなく美しさがあってそれが逆に悲しくてとても心に響きました。

 ロミオもジュリエットもこれだけのエネルギーで表現できるので欲を言えばそれをお互いに向けてもっと甘~いバルコニーのシーンや切ない別れのパ・ド・ドゥが見れればよかったですがそこはやはりゲストダンサーだと日頃一緒にいない分、難しいんでしょうね。

 で、話が名場面のバルコニーにいった所で今回これだけは言わせて下さい。

 そこは経費削減しちゃダメ…!!!!!

 バルコニーがなく背の低い4,5段のひな壇だったのです。。。

2人の間に立ちはだかる壁はこの物語の土台です。簡単にはいかない恋、満足に触れる事も戯れることもできない状況…

高さのあるバルコニーはその象徴なのに、苦労なく手を繋いで踊り出す二人に感動が半減。
ラブラブ感が薄く感じた原因の一つかもしれません。
 もういっそのこと装置は何も置かずに平面で勝負してくれた方がまだ想像力でカバーできたかも。
 機会があったら私の妄想通り、経費削減だったのか、はたまた違う理由があったのか演出家に聞いてみたい所でありました。

 他にも色々と感じた事はあったのですが、最後に素敵だった所を2点。
 1つは街の場面。前に見たロイヤルバレエは品が良すぎて物足りなかったのですが、NBAの皆さんは活気があって、若者が恋したり喧嘩したりする街の喧騒がよく表現されていました。

 もう1つはオケ。昔の日本のオケは上演中に何度も何度も金管楽器が「ぷは~」と音を外してその度に興ざめしてましたが、今回「やっぱり生オケはいいなぁ」とプロコフィエフの世界を楽しませてもらいました。

ということで長くなりましたが、

 タップダンスのエンターテイメント『NATIONAL TAP DAY』
バレエでは御法度の靴で音を出す世界…!楽しい気持ちにさせてくれるので笑顔で帰路につけること間違いなし☆

 そして生のピアノ、チェロを聴きながらバレエの世界にも触れられる『わかると楽しいクラシック』

バレエを魅せてくれるのはKバレエや東京シティバレエで活躍した井野口恵さん。この前サークルのレッスンにいらっしゃいましたが美しい脚と動きに皆うっとりでした。
今、月曜日に取り組んでるジゼルのヴァリエーションも披露してくれるそうですよ!
生のバイオリンやチェロを柏でお安く聴けてお得感満載です。

 ご興味あるかたはぜひ観劇に行って感激してきてください!
 それではまたスタジオで…! 

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